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2011年3月

2011.03.11

3.11

 その時僕らは体育館で、3年生を送る会を行っていた。あそこに皆が一緒にいて、すぐに集まれたということは、少しだけ運の良かったことかもしれない。ただ体育館はあんまりグラグラと揺れるので、生徒はきっと怖かっただろうと思う。その後、避難場所を移動する。

 生徒の引き取り訓練というのはしていたが、この日電話回線はパンク状態で、なかなか保護者と連絡が付かない。何より電車が止まってしまっており、連絡が付いても引き渡せないもどかしい状況で、ジリジリする。

 帰宅できない生徒達と一緒に、学校で非常食の夕食を食べた。御飯と味噌汁が配膳された。その時はまだ、どんなことが起きたのかよくわからずに、なんだか校内泊みたいだねと話していたんだ。

 あと数人、保護者と連絡が付かない生徒が学校に残っていたのだけれど、教師全員が残っている必要はないという判断もあり、自分は帰宅することに。「Mちゃん、がんばってね。Y先生が一緒にいてくれるから、大丈夫だよ。」

 その日、自分は少しだけ帰宅難民というものだったかもしれない。途中まで、車で送ってくださったI先生、ありがとうございました。信号が停電している街を抜けて走るも、大渋滞につかまる。歩いた方が早いだろうとの判断で、途中で失礼して、あとは家まで黙々と歩いた。

 自宅にも連絡が付かなかったので、木造の家は倒壊しているのではないかと、この目で見るまでは気が気ではなかった。とにかく、帰れて、ホッとした。帰る家のあることに、ただただ感謝。

 そうして、想像を遙かに超えていた、震災の現状を初めて知ることになる。

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2011.03.05

京大カンニング事件

 大学入試の試験会場に携帯電話を持ち込み、解答をインターネットの掲示板に書き込んで聞き出したという、「いったいどうやって?」的なカンニング事件が世間を騒がせた。
 捕まった犯人は、当初言われていた複数ではなく、一人の、予備校生だった。

 カンニングというのが、刑事罰にはないことも、この時あらためて知った。

 そうなんだ・・・・。19歳の予備校生が捕まった罪状は、カンニングという行為ではなく、「為計業務妨害罪」という罪名が付けられた犯罪だった。
 犯人の逮捕を受けて、様々な人が意見を述べていたが、脳科学者の茂木健一郎氏は、自身のブログ「クオリア日記」の冒頭で、次のようにコメントした。

今回の京都大学をはじめとする入試における「カンニング事件」は、いろいろな意味で心が痛む。

京都大学が被害届けを出し、「偽計業務妨害罪」でカンニングをした学生が逮捕されるに至ったことに、強い違和感を覚えるものである。

 そして、その「強い違和感」の理由については、

第一は、「大学の自治」、「学問の自由」にある。

今回の事件において、京都大学の関係者が「被害届け」を出してしまったことは、「大学の自治」の点から疑問である。日本の大学が、大きく変質してしまったことを感じる。

第二に、教育者の立場からの配慮に欠けているという点である。

京都大学にあこがれ、志願をしてきた学生が、心の弱さから「カンニング」をしてしまった。その時に大学側がとるべき対応は、入試で不合格にすると同時に、 前途ある若者が未来に向き合えるような配慮をすることではないか。「偽計業務妨害罪」という罪名の下に、「警察に突き出す」ことが、大学人のやるべきこと だとは私は思わない。

 と、私見を述べた。

 そのように、捕まったカンニング受験生に対しては、概ね同情的?な意見が多く寄せられていたようであった。が、一方で、やはり以下のような意見も目にした。(玉井克哉氏のツイートより)

カンニング受験生について「逮捕するのは行き過ぎ」という議論、常軌を逸していると私は思う。犯罪が発覚した。逃亡や証拠隠滅の恐れがある。逮捕されるのは当然でしょう。日本は法治国なんだから。

今回のは「カンニングを刑事事件にした」のではなく、「業務妨害の犯人を捕まえたら動機がカンニングだった」のです。間違っちゃいけない。

入試業務の当日、仕出し弁当千個を京都大学の名前で注文。真に受けた弁当屋が届けたところ注文の事実はなし。大学は対応に大わらわ。入試業務を妨害する不届き者の犯罪だと警察が捜査したら、犯人は受験生。動機は「どうしても国立大学に入学したかった。混乱させればカンニングできると思った」。
それに対する有識者の意見。「ほかにもカンニング犯はいる」「動機がカンニングなんだからいいじゃん」「受験体制そのものに問題」「そういう妨害を防止しなかった大学に責任」「警察に届け出たのはおかしい。大学自治はどうなったのか」「新たな方法を考えた若者の才能に期待」。
おいおいおい、みなさん、大丈夫ですか。唯一共感できるのは、「こんなの大報道に値するの? 未成年者なのにプライヴァシーをばらしていいの?」というもの。あと、「これ、リークでしょ。マスコミさん、批判しないの」というのも共感できる。要は単純な業務妨害罪。手口が新しかっただけ。
法律学はこうやって考える、という見本。法学部生にも「カンニングなんだから逮捕は不当」という馬鹿者がいるので、設例を作ってみたのです。

 そう、確かに犯罪は犯罪。罪を憎んで人を憎まず、じゃないけれど、カンニング受験生は不正行為をしたことに対する代償を支払わなければならないのだ。今回の事件の報道の時にあるキャスターが、「誰でもカンニングくらいはしているのでしょうが」などと言ったそうであるが、とんでもない話である。

 ただそれでもやはり、この捕まった受験生には、もう一度やり直す機会を与えてもいいだろう、くらいに思うのが人情である。いったい、どんな早技を駆使したのだろうかと興味が湧くのもまた、同じように人の心だ。

 ところで、来年の入試には、携帯電話の持ち込みに関して、大学間に格差のようなものが出ることになるのだろうか。
 例えば、お金のある大学は、映画館のように携帯が繋がらない電波を出す設備を教室ごとに整えるとか。少し下のランクの大学は、携帯を預かる作戦に出るか、携帯を持ち込ませないように出来るとか。あるいは、例年どおり受験生を信じて?特にカンニング対策もせずに同じように入試を続けるか。(そしてそのような事なかれ大学は、やはり多いのかもしれない・・・・。)
 思うに、今回の事件の真の被害者とは、届けを出した大学側でも、人生を棒に振ったカンニング受験生でもない。今回の事件の真の被害者は、同じ時間、カンニングせずに真面目に受験していた、多くの普通の受験生達と言えるだろう。そして真面目な受験生の被害というのは、(裏でカンニングがなくならない限り、)これから先もなくならないのかもしれない。

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