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2008.11.25

山は誰のものか

 なめとこ山通信 16

 皆さんこんにちは。すっかり寒くなり、もう年の瀬だなぁという気分になってきましたね。先日の「高尾山に登ろう」企画に参加した皆さん、お疲れさまでした。やっぱり皆で一緒に山に登るのは、楽しかったですね。それにしても、本当にすごい人混みでした。すれ違う人達からも「すごい人だな」という声が聞かれました。きっと、普段は山に登らない人も大勢いたのでしょう。
 さて今回は、最近私が漠然と考えていて、なかなか答えが出せないでいる(ちょっと小難しい)ことを話題にします。それは山仲間(と言いますかWeb仲間でしょうか。お会いしたのは街で一度だけ。仮にMさんとしておきましょう)が、ご自身のブログの中で「自然を大切にするってどういうことだろう」という思いを綴っていたのを読んだのがきっかけでした。

 Mさんは夏に、越後の平ケ岳という山へ一泊のテント泊山行をしてきました。しかし後から「平ケ岳ではテント泊禁止なのに、なぜテント泊をしたか」とブログに書き込まれてしまったそうです。Mさんは、事前に自治体や現地ロッジにテント泊可の確認を取り、テント禁止の認識はなかったそうですが、今後は山と関わりを持つ自分たちが山を守るような山歩きをしたいという思いに至ったようです。
 ところで平ケ岳という山はいわゆる「百名山」に選ばれていて、近年の登山ブームと相侯って、トイレの設備もない山頂付近に多くの登山者がテント泊で訪れるようになったという山です。現状のままでは、やがては美しい自然が消えゆくのは必至であり、何らかの形で登山者を規制せざるを得なくなるでしょう。ただMさんは、大切なものを大切と思えるのは、それに親しく接したからだとも考え、安直な入山規制を考えるのはどうなのだろうかというご意見のようでした。ちなみに世界遺産である白神山地の核心地域へは、秋田県側では基本的に入山禁止となっていますが、青森県側では届け出制によって規制を緩くしているようです。世界遺産という、人類にとって最も大切にしなくてはならないものであっても(世界遺産だからかえって、という言い方もできますが)そこには人間の欲やエゴが、どろどろと渦巻いているのかもしれませんね。
 真に自然を守ろうというならば、そこに人間が入れなくするに越したことはありません。私はそう思います。人間が自然の中に入るということは、自然に干渉するということであり、ひいては自然を破壊するということに繋がるものだと考えるからです。ただ、人間という生き物の活動も、大きな視野で自然の中の現象の一つだとし、人も自然の一部だと考えるならば、また違った考え方も生まれてきます。自然が変遷を繰り返し、ある種は滅び、またあるものは進化してきたとすれば、人間が(温暖化などで)自然環境を破壊し、その結果として人間自身もまた滅んでいくようであっても、それはつまり自然なこと、とも言えるでしょうか・・・。
 そもそも、人間が「自然を守ろう」とする考え方には、人間の、自然に対する尊大な(傲慢な)思いが、どこかにあるのかもしれませんね。昔の人は、自然に対して、もっと畏敬の念を抱いていたような気がします。山は、登るものではなく、麓から見上げて拝むものだったりしました。(たぶん。・・・私も、そんな時代の人間ではありませんが。)そして、山に登るという行為は、日本の場合は山岳信仰から始まったものだとされています。山は修行の場であったり、人は自分の願いを成就させるために山の高みを目指したりしたのでした。
 高尾山も本来は、信仰の山であり、修験道の霊場でした。いえ、今でももちろん、高尾山の薬王院を信仰し、高尾山で修行する人達がいます。(高尾山に登るならぜひ、そういう雰囲気を少しでも味わって欲しいと思います。)そういう山に、あの時に登って、私は少しだけ、あぁ高尾山はかわいそうかもしれないな・・・とも思いました。これだけの人が集まってきて、この山は大丈夫だろうか?・・・そんなことも考えました。
 それでも私たちは、ワシワシガツカツと山に登り、あぁ楽しかったなぁと感じました。もしかしたら、大きな大きな高尾山にとって、私たちの活動など、痛くも痒くもない、ちっぽけなものだったかもしれません。あるいはもしかしたら、私たちのしたことは、やっぱり少しでも、高尾山を傷付けたことになったのかもしれません。それでも私たらは、ワシワシガツガツと山に登ったのでした。

 

とりとめのないそんなことを思っていて、結局はまた、私は山に向かっていくのですが、一つ何か形として答えを出すとしたら、「山は誰のものでもない」と、あらためてそう思うのです。だからこそ、皆で大切にする。だから、みんなで登る・・・。
 とってもへんてこな文章でごめんなさい。皆さんもどうか、いろいろなことを考えてみてください。

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